精密分析/診断
噛み合わせは「お口の中だけ」の問題ではありません
頭痛、高血圧、腰痛、肩こり、慢性疲労といった「原因不明の不調(不定愁訴)」に長年悩まされている場合、その背景にお口の中の「噛み合わせ」が関係しているケースが多々存在します。
一見すると歯並びが綺麗で、しっかり噛み合っているように見えるお口であっても、実は筋肉や骨格に無理な負担をかけ、全身の不調を引き起こしていることがあります。
噛み合わせ不良の診断と治療を専門とする当院では、一般的な「お口の中だけの点検」にとどまらず、患者様の生活背景や身体全体のバランスを含めた精密なアプローチを行います。
当院が検査で確認する重要ポイント
不定愁訴を引き起こすような「目に見えづらい噛み合わせ不良」が存在するか
普段の生活習慣や環境の中に、噛み合わせに悪影響を与える要因がないか
咀嚼筋や首周りの「筋肉の使い方のクセ」はどうなっているか
立ち姿や日常の姿勢にどのような歪みの傾向が出ているか
初回にご記入いただく問診票は項目数が多く、作成にお手数をおかけいたしますが、ご自身の身体の歴史とお口の環境を一度見つめ直していただく大切な機会となります。
主な検査と分析手法
当院では、多角的な視点から身体とお口の調和を調べるため、以下の精密検査を実施しています。
(1)全身のチェック・視診・触診
患者様が日常で感じている痛む部位や辛い部分を確認し、立ち姿(立位)や横になった状態(仰臥位)での身体のバランスを分析します。
続いて、お口の中だけでなく、頭部や首周り(頭頸部)の筋肉、顎関節の状態を触診・視診します。
どの部分の噛み合わせや過去に入れた補綴物(被せ物・入れ歯等)が、身体のどの部位へストレスを与えているかを詳細に特定していきます。
(2)精密な模型分析
患者様固有の骨格や筋肉の配置に合わせた診断基準を確立するため、当院では複数の模型分析法を採用しています。
1. ハルト式模型分析法
顎の骨や軟組織の指標に基づき、本来あるべき歯の配列位置や顎の偏位(ズレ)を算出・予測する分析法です。
下顎臼後三角の1/2から30mm、前歯は齦頬移行部(1の遠心部)より12mmの位置関係を確認
上顎口蓋小窩中央より、皺襞(しゅうへき)のない5番までを点線で結び前方へ延長
ハミューラーノッチと正中縫合線との距離(片側23mm〜25mm)を計測し、人工歯の排列位置および顎偏位を予測
上顎前歯排列基準:切歯乳頭1/2から無歯顎で7〜8mm、有歯顎で10〜11mm
正中口蓋縫合線から犬歯尖頭までが18mm
2番と3番の接触部からハミューラーノッチを結んだ線が、5・6・7番の舌側を結ぶ基準線となる
2. AFOT富田式模型分析法 および 各種模型分析
生体力学に基づき、顎の運動軸と歯牙の接触面を分析することで、将来的な咬合様式の変化に対応できる基準を導き出します。
当院における「O-リングテスト(筋反射テスト)」の位置づけ
「O-リングテスト」は、身体の筋肉が持つ緊張・弛緩の反射運動を利用して生体の状態を確認する検査法です。当院では主に「母指対立筋(親指の筋肉)」を検査筋として使用します。
当院の基本姿勢:O-リングテストで歯を削る位置を決定することはありません
一般的な歯科医院の中には、O-リングテストの反応だけで歯を削る場所を特定するケースも見られますが、当院ではそのような処置は行いません。
当院では、あくまで補綴学の基礎(従来の歯科医学の基準)に基づき、基準面の過不足や下顎の自由な動きを阻害する原因を第一に考えます。O-リングテストは、選択肢の判断で補足が必要な場合や、後に戻せる(元に戻る)安全な領域の中で確認手段として活用いたします。
筋反射テストの原理
身体に好ましい刺激が入る
筋肉に適度な張り・力が加わる(ロックがかかる状態)
身体に有害な刺激・負担が入る
筋肉の保持力が低下する(ロックが外れる状態)
O-リングテストで確認する「頸部と噛み合わせ」の関係
カチカチと歯を噛み合わせた後にO-リングテストを行った際、噛み合わせのバランスが悪いと指の力が維持できず、リングが開く現象が見られます。
これは、噛み合わせの異常によって首周り(頸部)に運動障害や筋肉の緊張が生じ、脳からの神経伝達が指へ正常に伝わらなくなる結果です。つまり、当院におけるO-リングテストは、間接的に「噛み合わせの影響を受けた首周り(頸部)の健康状態」を評価するために利用しています。
具体的な検査・評価の手順
当院では、問診から全身症状の確認、口腔内の評価まで、順序立てて精密検査を進めます。
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- STEP 1事前チェックリストの記入と主訴の聞き取り
- 診察前に日本全身咬合学会等のチェックリストへご記入いただき、現在の身体の状態を可視化します。その後、最も困っておられる症状(主訴)について詳細なヒアリングを行います。
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- STEP 2全身の運動制限および違和感の確認
- 治療前後の効果を客観的に比較・評価するため、以下の部位における痛み、運動制限、違和感を事前に確認します。
可動域・症状の確認部位:顔面、頭部、頸部、肩、上腕、肘、手首、手指、背中、腰、膝、足首等
機能検査:首の回旋・傾斜角度、上腕の挙上量、仙腸関節機能の評価(SLR、Fadirf、Fabere、FFD等)
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- STEP 3お口の中の症状と動きの確認
- 顎関節や噛み合わせの異常が、全身の症状とどのように連動しているかを調べます。
顎運動の異常確認:口を開ける際の痛み、音(カクン・ガリガリ等)、違和感、開口量、運動制限の程度を測定
咬合の異常確認:咬頭嵌合位(カチッと噛んだ位置)、側方位(左右にずらした位置)、前方位(前に出した位置)における異常と全身症状の関連性を評価
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- STEP 4補綴的指針と全身知識による総合分析
- 古くから伝わる補綴的指針(本来あるべき噛み合わせの高さや位置の情報)を基準とし、全身と咬合の両面から検証を行います。
お口の中にある根本的な問題点を特定し、患者様ご自身にもお身体の変化を体感・確認していただきながら、納得のいく治療計画をご提案いたします。
院長より
噛み合わせの精密分析は、単に「歯のかたち」を見る作業ではありません。
患者様がこれまでに歩まれてきた生活習慣や、身体の使い方のクセ、骨格や神経系へかかっている負担の全貌を読み解く作業です。
「病院で原因がわからないと言われた不調」をお持ちの方は、ぜひ一度当院の精密分析をお受けください。1日2名限定の落ち着いた診療環境の中で、患者様のからだの声に深く耳を傾けてまいります。