大和医学研究会
大和医学とは:日本固有の風土が生んだ伝承医療
文京区のグリーン歯科医院では、800年以上にわたり受け継がれてきた日本古来の伝承療法「大和医学(やまといがく)」の思想を診療の根幹に据えています。
大和医学は、もともと「武士が戦いにおいて全力を尽くすためには、日頃から身体の健康を維持することが不可欠である」という理念のもと、「武家の医学」として発達してきた歴史を持ちます。外部からの薬物投与や過度な外科的手技に頼るのではなく、人間が本来備えている自然治癒力を高め、身体内部の環境を一定に保つ機能(ホメオスタシス:生体恒常性)を構築することを最大の目的としています。
特に大和医学には、以下のような際立った特徴があります。
食養(しょくよう)の重視
身体をつくる基本である「食」を医療の根幹と捉える考え方
自然治癒力の喚起
病気そのものを攻撃するのではなく、身体の内なる回復力を引き出すアプローチ
からだ全体の調和
局所的な症状にとどまらず、骨格・筋肉・神経系を含めた全身のバランスを整える視点
当院では、この大和医学の教えを現代の歯科医療、特に「噛み合わせ治療」と「予防歯科」に応用し、お口の中から全身の健康を守る統合的なアプローチを行っています。
当院と大和医学の継承
大和医学の教えが現代の歯科臨床へと結びついた背景には、医師であり大和医学伝承家であった故・堀江左京源義糾(ほりえ さきょう げんの よしただ)医師と、当院との深い縁が存在します。
「済生救民」の理念と大和医箴
大和医学の伝承において大切にされてきた教えに「大和醫箴(やまといしん)」があります。その冒頭には、医療に携わる者の姿勢として以下の言葉が掲げられています。
『凡そ醫業に携わる者は診療に臨みてはその場を学術研讃の道場、精神修練の聖堂と心得て済生救民の誠を尽くすべし』
(現代語訳:およそ医療に携わる者は、診療にあたってその場を学問探求の道場であり精神を磨く場と心得て、人々の生命を救い生活を安定させる誠意を尽くさなければならない)
この言葉が示す通り、医療とは単なる技術作業ではなく、患者様の人生と向き合い、誠心誠意をもって健康回復に尽くす行為であるという精神が受け継がれています。
西洋医学と東洋医学・歯科の融合
堀江左京源義糾医師は、西洋医家でありながら父祖伝来の大和医学を継承し、長年にわたり全身と口腔の関連性を研究されていました。
平成16年に堀江医師が他界された後、その遺志と研究成果を継承したのが、当院の主宰である歯科医師・伊禮祐子(いれい ゆうこ)と、大和医学整体師であり歯科技工士の金子暁(かねこ あきら)です。
医家が「病気を治す」のではなく、人が自ら持つ内なる治癒力をいかに引き出すか。そして「食は医なり」と言われるように、医の根本は健康な「歯」と「噛み合わせ」にあるという深い理解のもと、原著『大和医学』の出版および研究活動が当院を拠点として継続されています。
当院では、歯科医師、歯科技工士、そして院内スタッフが一体となり、大和医学の精神に基づいた質の高い咬合治療と予防指導を提供しています。
大和医学研究会について
原書「大和醫学」発刊に当たり
平成18年2月26日 大和医学研究会主宰 伊禮祐子
真面目な歯科治療を求める患者さんを増やし、歯の重要性を伝えることが、今の自分の課題と考え研究活動をしております。また、あまり知られてはいませんが口の中には東洋医学的なつぼがあり、マッサージやブラッシングに適切に応用していくことも大切な今後の課題です。
元々、東京歯科研究会の金子暁会長と、共同研究の場として東京歯科研究会臨床研究所を立ち上げ、より質の高い咬合治療を目指す先生方を対象に個別指導、臨床指導を主に自院(グリーン歯科医院)のスタッフ及び東京ドラリアム(東京歯科研究会の母体の歯科技工所)との連携でセミナーを行っていた経緯がありましたので、研究所の根幹となる大和医学をベースとした医の心を考える会として堀江先生の大和医学研究会の継承者として再開する運びとなりました。
研究会としての活動の第一段階として、堀江先生の原著をそのまま世に出す役割を荷っている私として、できる限り元本に正確な形で発行しようと思いました。この本を用いて、それぞれの読者がそれぞれに解釈したものを話し合う場としての抄読会を開催できたらと思う次第です。
堀江先生が歯科医に伝えたかった、歯科医だからこそ見逃してしまいがちな顎関節や口腔周辺と全身症状の関連や、歯科医にしかできない全身に良い影響を与える歯科治療というものを、私なりに歯科の先生方だけではなく広く一般の方に伝えていく活動の一歩として行けたらと思います。
本原書は大和医学が日本固有の風土に根ざした治癒力を目指した医学として、医療、歯科治療、整体治療等の医療行為、施術の全般への応用、特に歯科の分野での治療等により効果的であることから、医師 堀江左京源義糾先生が「大和医学」の総合的な研究と普及を図る為に、大和医学研究会主宰である伊禮祐子歯科医師と大和医学研究会主宰代行で東京歯科研究会会長、大和医学整体師、歯科技工士である金子暁に「大和医学」としてこれを継承させました。本書の出版は、上記に鑑み両名が堀江左京源義糾先生からの(大和医学・伝承学説)、(大和医学・大和整体学)の2分冊からなる諸書を一つに取り纏めてこれを原書「大和医学」として出版するものです。
米国公益法人 バイオメディカルアカデミー名誉学長 医学博士 水田順也
大和醫学の伝承の呼び方は“大和醫箴”といいます。その醫箴によりますと冒頭に次の言葉が輝きます。
『凡そ醫業に携わる者は診療に臨みてはその場を学術研讃の道場、精神修練の聖堂と心得て済生救民の誠を尽くすべし』
この度旧友の故堀江糾医博の遺稿が、彼氏の直弟子で後事を託した伊禮祐子、金子暁両先生並びに彼の未亡人本多良子さんらによって出版の運びとなりました。堀江氏は日本医科大学出身の西洋医家ですが、群馬県新田郡を原点とした源氏の後裔に当り、父祖伝来の大和医学の伝承家としても一家をなし、その研究は広く医家の注目するところでした。
残念なことに彼氏は平成十六年七月,病に倒れて遺稿を弟子に託し世を去りましたが、生前堀江氏が主宰した大和医学研究会は伊禮女史に引き継がれ今日に至っています。 ところで、更に嬉しいのは伊禮祐子さんは歯科医さんでありながら堀江氏の大和医学研究会の主宰を引き受けられたことです。また金子暁さんも東京歯科研究会の会長でありながら伊禮主宰さんの代行という要職を自らかって出ておられるということです。
いうまでもなく大和医学の目指すところは人間のホメオスターシスの構築で、九州医学の池見酉次郎先生の“病に効く特効薬はなく、病を治す医家はいない”という説を踏むのもです。人はその内なる治癒力と内なる心を持っています。その理想の医家たらんと堀江さんはがんばっていたわけで、その遺志を歯科研の方々がこぞって受け継がれた快挙は、素晴しいと思います。“食は医なり”といいますがその医となす大もとは健康な「歯」にあることを広く深く師と弟子は理解しあっていたのでした。
ついでながら堀江家は、群馬県新田郡の、源氏筋に当る新田家に源を発し、正史に登場する名将新田義貞などが君臨します。この新田郡は原始人か弥生期に大群落を造っていた土地で、櫛形には古代人が残した文化を誇る記念館があり、また奈良大和の朝廷から天皇の直使が派遣されてくる重要な政治の地でもありました。今この地に朽ち残っている勅使門がその史実を留めているのも、大和医学発祥の地ならではのことでしょう。
さて、今回出版される大和医学の著者名は、大和医学伝承家として代々遠い平安時代から伝えられてきた堀江家になるもので、彼氏の伝承者名である源家新田朝臣堀江左京源義糾となっています。正史の重さをずっしりと感じるこの書が、伊禮さんらによって広められ、大和医学の目指す済生救済の旗印となりますように祈ってやみません。
平成十八年二月 米国公益法人 バイオメディカルアカデミー名誉学長 医学博士 水田順也